今回は、スイスの時計メーカーパネライの有名な時計について解説していきます。
パネライは1860年にイタリアのフィレンツェでジョバンニ・パネライ氏によって創設されました。
創業当初は小さな時計店でした。
時計の製造・販売だけでなく、海外の時計の修理も請け負ったことで、その腕は本物だと認められていきました。
高い水準の技術によりイタリア随一の時計ブランドへと成長しました。
また、パネライはイタリアでは腕時計が普及していなかったので、イタリア初の腕時計専門学校を設立しました。
このように品質の高い時計の生産と技術の共有により、イタリアの時計ブランドとして不動の地位を築きました。
パネライの時計はイタリアのデザインセンスとスイスの時計技術を掛け合わせたものとなっています。
そのため、正確に作動する美しい時計が多くあります。
中でも有名なモデルをいくつか紹介していきます。
ルミノール
まずは、ルミノールについて紹介します。
このモデルはパネライの中でも特にメジャーなモデルとなっています。
「ルミノール」という名前の通り、暗い所でも発光する蛍光塗料が採用されています。
また、大型かつ頑丈なケースも人気の理由にあり、分厚い大型ケースが一時期流行った要因でもあります。
そんなブームを生み出したルミノールですが、誕生したきっかけは1930年代までさかのぼります。
もともと、パネライはイタリア海軍に兵器の照準など精密機器の納品をしていました。
そこで築き上げてきた信頼があったからこそ、新たに時計の製作を依頼されたのです。
当時イタリア海軍は新戦力として潜水車両部隊の強化に注力していました。
車両の中に兵士を乗せて目標地点まで到達したら彼らが潜水装備を付けたまま進軍できるような部隊編成を計画しました。
この特殊部隊が水中でも時間を確認できる時計が欲しいという要望から全ては始まりました。
水中で正確に動作することは言わずもがなですが、何より重視されたのは視認性でした。
特殊潜水部隊は作戦遂行のために時間・場所を問わずに活動します。
夜の海中を移動することもあれば、光の届きにくい水深が深い場所も潜る任務もあります。
そんな中でも時間を確認できる時計を海軍はパネライに製作を依頼しました。
パネライは当初「ラジオミール」という蛍光物質を自社で開発していたので、それをそのまま使用した時計を軍に納品しました。
ところが、後になってラジオミールは放射性物質であることが判明し、時計製作は振り出しに戻ってしまいました。
そこで、パネライは新たな蛍光物質の開発に着手しました。
そこで「ルミノール」という物質を発見し、これを時計に塗料として用いました。
この蛍光物質の名前からそのままルミノールという時計の名前にしたのです。
ちなみに、ルミノールは時計のみならず様々な分野で活用されており、特に警察の捜査で血液が付着しているか調べる際にも用いられます。
刑事ドラマなどで「ルミノール反応」という言葉を聞いたことことがありませんか?
このように時計としても他の化学的知見としても革新的な技術を確立したのがこのルミノールなのです。
サブマーシブル
サブマーシブルもパネライ代表の時計と言えるでしょう。
このモデルと特徴としてが時計製作に使われる素材です。
モデルによって違いはありますが、「Ecoチタン」や「カーボテック」と呼ばれるブランド独自の素材を使用しています。
「Ecoチタン」はリサイクル品のチタンをもう一度鋳造したものです。
しかし、リサイクルしているチタンはただのチタンではなく、航空機の部品に使われていたものから選んでいます。
航空機は非常に厳しい基準が設けられているため、従来の製品ではまだ使えるチタン部品を交換します。
なので、耐久性や実用性については申し分ない代物となっています。
「カーボテック」は従来のカーボンとは異なり、炭素とスーパーエンジニアプラスチックという素材を混ぜて作られます。
スーパーエンジニアプラスチックとは、耐熱性や摩耗性に強い素材となっているため、通常のカーボンを凌駕する耐久性を獲得しているのです。
このモデルは最初はルミノールのバリエーションの1つでした。
既存モデルのバリエーションから独立して別のモデルになるまで長い年月を要しています。
事の発端は2019年のことです。
アンジェロ・ボナーティ氏がCEOの座を退き、新たにジャンマルク・ポントエル氏が就任しました。
彼はパネライの商品を1から見直し、リニューアルしました。
この時、パネライはルミノールとラジオミールの二大看板で勝負していましたが、その中のバリエーションから2つを独立させ、新シリーズとして再展開する方針を固めました。
それが「ノールドゥエ」とこの「サブマーシブル」だったのです。
この方針変更の理由としては、「それまでのパネライはどれも同じに見える」という意見があったことを受けてではないかと言われています。
実際に見てみますと、ルミノールに比べてツヤ感が控え目になり、より現代風なアレンジがされています。
モデル自体は昔からありながらも、単独でシリーズになったのはつい最近という特殊な背景がこのサブマーシブルには隠されていました。
今回2つのモデルはパネライを象徴する新旧のモデルですが、両者ともにリューズにガードが設けられており、大型の腕時計になっています。
このマッシブなデザインに惹かれる人は大変多く、現在でも需要が高い商品となっています。
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