珍しい地金を買取いたしました、以前にも純金板を買わせて頂いた事は何度もありましたが、「歯科用」と記載のあるパッケージを見るは初めてです。
歯科で加工用に使われていた物だと思います。
今は保険適応外でセラミック ジルコニアなど見た目にも体にも優しい歯の素材は多くありますが、昔は金歯が一択でした。
今回は金歯について色々調べてみましたので、良ければどうぞ。
最古の差し歯
金歯が使用された記録の中で一番古いものは古代エジプトにまで遡ります。
当時のエジプト王朝では金を使った装飾品は重宝されました。
ネックレスや王冠、中にはツタンカーメンのように大型のマスクにも金は使われ、差し歯も例外ではありませんでした。
金色の歯は王族たちが一般市民とは違うというアピールとして親しまれていました。
また、エジプトでは死後の世界が信じられていたため、ミイラを作る文化がありました。
このミイラ作りの際に歯を金歯に差し替えることがあったようです。
金は長年経っても劣化しにくくずっと綺麗に輝くので、その人が永遠に生きられるようにという願いを込められて金歯に入れ替えていたとのことです。
また、技術的な面でも金属としては柔らかい部類で加工しやすいという点も金歯が作られた理由として考えられそうです。
金歯の文化はエジプトに留まらず、各地で記録が見つかっており、人類の歯科技術のそばを歩んでいたことがわかりますね。
金歯は中世になるとヨーロッパにも普及しました。
虫歯ができたら抜いたままにしていたヨーロッパの歯科医学を金製の差し歯は大きく発展させました。
これまで通り、富や権力といった自分の力をアピールするためにも使われていましたが、この時期から医学的観点からも注目されるようになってきました。
そこからさらに時代が進むと金の採掘技術も発達したことで、以前よりも量も効率も大幅に改善しました。
これにより、金歯は一般層にも普及するようになっていきました。
このような歴史を歩んできて現在でも金歯の技術は残っています。
金歯の利点
現在でも金歯自体は残っているものの、使用頻度は下がりつつあります。
より本来の歯の色に近いセラミックやジルコニアなど違和感の無い差し歯が台頭してきたことが原因です。
また、金属製の人口歯でも銀歯も登場しているので、なおのこと選ばれにくいです。
ですが金歯独自のメリットも存在します。
まず、金歯は金属アレルギーのリスクが少ないです。
銀歯はアレルギー反応が出たり経年劣化もし、そこから虫歯が再発する恐れもあります。
これに対して金歯は酸にも強いため、劣化のスピードが極端に遅く腐食しないので、虫歯のリスクも低減します。
それに加えて、金は耐久性と柔軟性を両方兼ね備えた素材です。
そのため、強い力で噛んでも割れにくく、自然なかみ合わせも再現します。
ですが、金歯は保険適用外なので、費用が高くなるという欠点があります。
何より、金歯は目立ちます。
乳白色の歯の中に金色の歯があると不自然に感じてしまう人は多くいます。
こういったデメリットも決して無視できない要素であるため、金歯は避けられる傾向があるのです。
しかしながら、金歯には独自の強みはもう1つあります。
それは素材の価格です。
正確に言うと買取価格です。
他の素材ではあり得ないレベルで高値で売れるのです。
金なので、どういう状態であれその重さ分の価値は保証されているという利点があります。
今まで金歯を使っていたけどセラミックなどに変えた人はチャンスです。
冨田質店では金歯の地金買取を実施しております。
状態が悪くても欠けていても問題ありません。
加工前の素材の状態の金も大歓迎です!
皆様のご来店を心よりお待ちしております。